ボイトレ仲間のライブを観て ~フースラーメソードの効果を改めて実感しました~

ボイストレーニングは”基本的には”とても孤独でストイックなものです。

僕の場合も、自宅の簡易防音室にこもって一人で黙々とボイトレする・・・コンビニでコーヒーを買って、公園の脇に車を止めて練習する・・・外出中に中途半端に時間が余ると「一人カラオケ」に行ってボイトレする事もあります。

僕が受けてきたレッスンはほとんどが個人レッスンでしたが、その光景もやはり(先生が目の前に居るとはいえ)ストイックで孤独です。(とはいえ、グループレッスンも何度か受けたことはありますよ!新鮮で楽しかったです!)

ネットでボイトレ関連の記事を書いている人のブログや、その他の声に関する情報発信をしている人の文章を見ていると「この日本には何百万人というボイトレ学習者がいる」と錯覚してしまいそうになりますが、実際にはその人口はどのくらいなのでしょうか?

そんなに多くはないと思います。

実際に僕がライブなどの「歌の現場」で出会うシンガー達の中でもボイストレーニングを行なっている人は、意外に多くはありません。そして現在もレッスンを受け続けていたり、ボイトレ本を使って学習している人となると、さらに少ないと思います。

歌を仕事にしようと考える人は、当然ながら「腕に覚えのある人たち」です。つまりプロのシンガーは「天然に上手い人」が圧倒的に多く、皆さんそれぞれ自分のスタイルで歌唱力を磨いてきた人たちであり”感覚的に歌う”シンガーの方が圧倒的に多く、”理屈で考える”タイプは少数派です。僕はいつも注意深く仲間のシンガーの声の使い方や歌唱法を傍から観察していますが、実は皆さん”理屈で説明可能な”声の使い方で歌っています。彼らは”感覚的に”たたき上げで歌を学んで今でも現役で歌い続けている強者たちなのですが、やっぱり「上手く歌っている人の声は”理屈で説明可能”」なのだと日々感じます。

さて、僕は何事においても「理屈での説明」を求める性格です。だからこそ自分の声に対してボイトレを通して「理屈での説明」を求めているのです。平たくいえば「何か分からないけれど、取り敢えず上手くいっている」という事が(特に声に関しては)見過ごせなくなっています。

僕が音楽全般に対して「理屈での説明」を求める傾向は、30代の頃に学んだクラシックギターの影響でより強くなりました。クラシックギターのレッスンはとてもアカデミックです。奏法・感覚技術・曲分析・・・全てにおいて「理屈での説明」が求められる世界であり、その事がロックが好きだった僕にはとても新鮮でした。そしてクラシックギターから離れ、もう一度ロックの世界に足を踏み入れた時に、実はロックもほとんどの場合は「理屈での説明」が可能なのだと分かりました。またクラシックでいう「大家」、ロックでいうところの「レジェンド」たちの音楽には「理屈での説明」からほんの少し逸脱した”説明不可能な何か”の要素が存在し、その僅かな差こそ彼らが「大家」「レジェンド」たる所以なのです。

 

さて、話は相当逸れましたが、そんな僕の「ボイトレ仲間が意外に少ない」環境において、数少ない「ボイトレの事を語れる」男がいます。

その男とはライブで共演する機会も多いので、ライブハウスに行く道すがらや楽屋、また酒を酌み交わしながら・・・いつもボイトレの話で盛り上がります。

彼はほぼ独学で独自の発声法や歌唱法を身に付けた男ですが、最近になってフースラーメソードに目覚めたようです。

それまではロジャーラブの本に始まり、YUBAメソッドなんかもやっていて、さらにはリードの「ベルカント唱法」も読破した強者ですが、最近はアンザッツをやっているようです。

そんな彼、先日2度目のソロライブを慣行し、僕も応援に行ってきました。

僕はボイストレーナーとしての見地から、彼の声を念入りに観察しましたが「随分変わったなあ」という印象です。(もちろん”良い方向”に)

元々広い声域を持った男ですが、音程による響きのバラつきが減ったように感じます。さらに歪み声(ガム声)を出せるようになったようで、曲によっては心地よい歪みを声に加える事に成功していました。

彼は桑田佳祐の声をメンタルコンセプトしていると言っていましたが、その試みは成功していたと思います。

そんな、僕の”ボイトレ仲間”の声が変わりつつあるのを目の当たりにして、フースラーメソードの効果を改めて実感しました。(彼は、ソロライブ当日のウォーミングアップではアンザッツ5ガムを練習した!と話してくれました)

そして、そんな彼に僕が微力ながら影響を与えられた事を嬉しく感じ、その日はトレーナー冥利に尽きるライブ鑑賞となりました。(実際には、彼は僕の生徒ではありませんが・・・笑)

そして、もちろん僕自身も更なる声の機能回復を求め、日々のボイトレに邁進し、生徒さん達により良いトレーニングを提供できるようになりたいと思います。

随分話が飛び飛びになってしまい、乱文な日記のようになってしまいましたが、ご精読ありがとうございました!

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