伝統的で確実に効果のあるボイストレーニングを行なって、自由に歌えるようになるためには「早くて6年」「通常6年~10年」といわれています。
とはいえ、ボイトレを始めた時点での喉の機能的な状態、トレーニングの頻度や密度、日常会話の質、その他の肉体的な条件によって人それぞれの進捗の違いがあって当然です。
僕は個人レッスンを基本にしていますので、生徒さん達同志で進捗の違いを確認し合う機会はありませんが、グループレッスンでやられている場合には早い人・遅い人、上下かなりの差があるかもしれません。
「早くて6年」かかるとはいえ、その間中ずっと基礎的なボイストレーニングばかりやるというわけではありませんので、1年頑張れば以前とは違う感覚で歌え、周りからみても「相当上手くなった」と評価を受けるとは思います。
それでも「1年で相当変わった」という人もいれば、「1年では全然変わらなかったけれど、1年半くらいから格段に良くなった」という人もいるでしょう。
この辺りは「神のみぞ知る」的なところで、中々予想がつかないのです。
ただ、教える側の立場上の責任として「1年くらいで周りの評価が変わるくらいには上手くなりますよ」という風には説明はしますが、これはあくまで「目安」として考えて下さい。
では、「1年で変わる」と言われていて、日々少しずつボイトレを頑張ってきた人が、予想に反して「1年過ぎても全然良くならない」場合、どんなモチベーションで、それ以降のボイトレを続けていくのか?
こんな内容について、僕がブログを書いていて思うこと・学んだ事に関連させて書いてみたいと思います。
お付き合い下さい。
シンプルに、1年でダメなら1年半
さて、僕はブログというものを書くのが初めてだったので、最初は友人たちからアドバイスを受けたり自分で調べたりしながら、記事数を少しずつ増やしてきました。
何人かの友人からのアドバイスとして「とにかく3ヵ月で100記事書け!」と言われました。
ブログの世界では「3ヵ月・100記事」を一つの目安とする考えが昔からあるようです。
そこで、僕は「3ヵ月・100記事」を目標に投稿を続けました。※最初の頃、少しさぼり気味だったのでラストスパートは大変でしたが・・・
しかし・・・よく考えてみると、このブログの本来の「目的」は「一人でも多くの人に読んでもらう事」であり、「3ヵ月・100記事」はその「手段」でしかありません。
というのも、「3ヵ月・100記事」したら自動的にネット上のたくさんの人が見る事の出来る場所へ載せてくれる、そういう事はありませんので「目的=一人でも多くの人に読んでもらう事」を達成できなければ「3ヵ月・100記事」という数字はあまり意味がないのです。
そして・・・残念ながら、このブログは「3ヵ月・100記事」を超えても読者数はあまり増えませんでした。
ブログ初心者の僕にとっては「3ヵ月・100記事」は結構大変な事でしたが、目的を達成しない事には仕方がないので、ネットで「100記事投稿しても読者が増えないブログの伸ばし方」みたいな記事をたくさん読みました。
「検索エンジンに対するキーワード設定」「タイトルの付け方」「文章の書き方」・・・色々と改善の余地はありそうでしたが、ふと何人かの人が書いていた考え方に共感しました。
それは・・・
「100記事でダメなら200記事書け」という、いたってシンプルな発想でした。
僕のブログは確かに少しずつは読者数も増えていて、少なくとも方向性は間違っていないと思ったので、結局は「6ヵ月・200記事」を目指していく事にしました。
このことはボイトレにも当てはまると思います。
つまりシンプルな発想の「1年でダメなら1年半」という考え方です。
ただし、「方向性を間違えていない」という条件付きです!
レッスンを受けているなら心配はないですが、独学の場合は「方向性を間違えていないか」だけは吟味して再考してみて下さい。
「方向性を間違えていない」基準は、いうまでもなく「小さくてもいいから声に変化・改善があるかどうか」だと思います。
小さな変化をリストアップしてみる
正しくトレーニングさえ続けていれば(たとえ目標の期間より成長が遅れていたとしても)たくさんの小さな変化が声に起こっているはずです。
「声量が増した」「アンザッツが上手に出せるようになった」「低い裏声が出せるようになった」などのトレーニングレベルでの変化を感じられるなら「四苦八苦していた歌が少し楽に歌えるようになった」という現実的な成果に必ず繋がってくるはずです。
そういう「トレーニングレベルでの小さな変化」をリストアップする事で、確かな成長を実感でき、また更にボイストレーニングを推し進めることができると思います。
ボイトレは、必ず「小さな変化」に着目して、その後の成長の予想を立てる事が必要だと思います。それだけ「地道にコツコツ」が必要な分野だと思っています。僕は「地道にコツコツ」と手に入れたものは「一生もの」になると信じています。
まとめ
生徒さん個人個人の目標達成の時期を予測する事は僕たちの務めではありますが、実際はそれぞれの条件に応じてどうしても振れ幅は出てくると思います。
そんな時は「方向性さえ間違っていなければ」、つまり小さくても声に良い変化が現れているなら、このままボイトレを続けて下さい。
この分野は「地道にコツコツ」という言葉がとてもピッタリなのです。
必ず、近い将来大きな変化が起こってくると信じて下さい。
以上、ご精読ありがとうございました。
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