ボイトレに即効性はない やらなければ変わらない、今日の練習は数か月後の声のために

僕は、レッスンであれこのブログの中であれ、機会をみて「ボイストレーニングに即効性を求めないで下さい」とお伝えするようにしています。

僕が初めて「ボイトレ」というものに触れたおよそ10年くらい前までは、それこそ「一週間で高い声が出る」といった即効性のある練習方法が存在するかのように信じられていました。

しかし、最近では「ボイトレは年単位の期間がかかるもの」という、正しい理解に変わりつつある印象です。

そして、何より僕自身のボイトレ遍歴から「すぐに上手くなることは絶対に不可能である」と分かっているので、誰にも例外なくその事実を伝えるようにしています。

正しく喉を育てるには「6年から10年」の月日が必要であると言われています。不思議なもので、ボイトレが進めば進むほど、自分の喉の可動性・自在性が増せば増す程「6年から10年」の意味が更に分かってきたように思います。自分のこれまでの成長を未来に向けて足し算してみると、やっぱり「6年から10年」がかりで本当の意味での喉の自在性を獲得出来るような気がします。

さて、僕はブログを書いています。(もちろん皆さんが読んでくれている”このブログ”です)

ブログを書いていると「ああ、ボイトレに似ているなあ」と思う事があります。

例えば、今僕が書いているこの記事を皆さんが読んでくれるのはいつだろうか?と考えた時、「今日明日」ではないでしょう。

僕がこの記事をアップして、ネット上の検索結果に載り、皆さんの目に留まりクリックして読んで頂く・・・この間は、一説によると「数か月」とも言われています。

つまり、僕が今まさに書いているこのブログの文章は「数か月後」まで、皆さんの目に留まらない可能性もあります。

もちろん生徒さんの中には、このブログを楽しみにしてくれている人たちもいます。ここでいう「皆さん」とは、僕とはまだ面識のない(検索などでこのブログに辿りついてくれた)方たちの事を指しています。

という内容で、この記事を書き進めてみたいと思います。

お付き合い下さい。


今日やる練習は、数か月後に生きてくる

例えば、ウォーミングアップをすると歌い易くはなりますが、これは「即効性がある」と言えるでしょう。

しかし皆さんご存知のとおりウォーミングアップには(基本的には)喉の機能を育てる・声を変えていく効果はなく、現状の喉の能力を最大限に引き出すに留まります。

一方、ボイストレーニングはそういった性格のものではなく、月単位・年単位の将来を見据えて喉を育てていくものです。

つまり、今日やる1セットのアンザッツは「数か月後の声」の為に行なうものなのです。

もちろんトレーニングメニューを行なうと、喉は温まって活性化されるので、程よいウォーミングアップとなることもあります。ただしその後の喉を一時的に疲れさせてしまうトレーニングもあります。特に「地声系」のトレーニングは、ライブ等の本番前にはあまり根を詰めてやらない方が良いでしょう。例えば「地声を張り上げる訓練」などは喉をかなり疲弊させるので、行なうタイミングを選ばなければなりません。もちろん数か月後の声の為には”地声を張り上げる練習”も必要ですが・・・

 

今日やらなければ、数か月後に何も変わらない

当然のように「今日の声」は「数か月””」のトレーニングが作った、とも言えます。

なので「今日トレーニングをしない」事は「数か月後の現状維持」へと結びついてしまいます。

そういう意味でも「毎日のボイトレ」は、とても大切な事だと思います。

仮に、今現在とてもモチベーションが下がっていても少しづつ練習は続けるべきです。ボイトレ自体をやめてしまわない限り、数か月後に再びモチベーションが上がっている可能性は充分にあります。その時の声は、モチベーションが下がっている「今日の練習」によって作られるのですから。

 

2週間煮込んだデミグラスソースのようなもの

ちょっと話がズレますが、洋食の名店での「デミグラスソース作り」を思い出してみて下さい。

初代から二代目・三代目へと続く自慢のデミグラスソースは、必ず2週間煮込んだ状態でお客さんに提供するようにしている・・・

「必ず2週間煮込んだ状態でお客さんに提供する」為には・・・数個の大鍋を用意し、順番に繰り返し新しいデミグラスソースを作り、毎日「2週間煮込んだ状態のデミグラスソース」が途切れないようにしておく・・・

もし、一日でもソース作りをさぼれば、2週間後のお客さんに提供できるデミグラスソースを用意出来なくなってしまいます。

ボイトレもこんなイメージです。

今日練習しなかったデメリットは、数か月に被ることになります。

 

まとめ

残念ながら、正しいボイトレに即効性はありませんので、常に「数か月後の声の為に」という意識を持つことが大切です。

もちろんモチベーションの上下はあると思いますが、下がった時にでも少しずつ練習しておくことが必要でしょう。

また一旦ボイトレをやめてしまう~また半年後に再び始める・・・そうなると、またそこから数か月後の声の変化を待たなければなりません。

なので、デミグラスソースを煮込み続けるように、途切れずにボイトレして頂きたいと思います。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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