声の悩みのレベルが上がっていることを喜ぶ。ボイトレの”あんなことで悩んでいた”を思い出す

僕は高校時代、16歳の時に原付バイクの免許を取りました。特別に「バイクに乗りたいんや!」とか、そんな熱意は全くなかったのですが、周りの友人たちが次々に免許を取りにいくものですから、ついついその流れで・・・といったところです。実際には僕の通っている高校ではバイク免許取得は禁止されていたのですが、「禁止」と言われると、それを破りたくなるのが高校生の反骨精神というものです、たくさんの生徒が隠れて免許を取りにいっていたと思います。

さあ、晴れて原付免許を取得し、家にある古いスクーターで練習してみましたが・・・思わぬ恐怖を感じることになります。

「右折」が怖いのです。

バイクは通常、道路の左側を走っているので左折は簡単にできるのですが、右折となると少しスピードを上げて道路の中央に寄っていかなければなりませんので、バイク初心者にはなかなか大変なことです。(大きな道路は”二段階右折”が義務付けられていますから、かえって楽かもしれません)

そんな僕、せっかく原付免許を取ったのだからと少し離れた祖父の家へスクーターで行ってみようと思い、出かけてみましたが・・・上述のように”右折が怖い”ものですから、左折だけで何とかたどり着けないものかと思案もしましたがもちろん叶わず、右折しなければいけない場所ではエンジンを切って横断歩道を渡ったりと苦心惨憺の末、長い時間かかってようやく祖父の家にたどり着いた日のことをよく覚えています。

今や車を”乗りまわしている”自分からしたら考えられないことですが、16歳の僕は「右折できない」ことが悩みだったのです。何とも低いレベルの悩みですね!そんな僕の運転に関する悩みのレベル、今や格段に上がっています。余裕で右折できるし、スピードの調整も自由自在です。16歳の僕からみると、今の僕は神がかったレベルの運転技術なんです。そりゃそうでしょう!もう30年以上もほぼ毎日運転しているわけですからね!

 

さて、僕がフースラーメソードに取り組みはじめたころのことを思い出してみます。まずアンザッツに関しては”鋭い裏声”、つまりアンザッツ5番が全然発声できなかったことをよく覚えています。他のアンザッツは最初から割と上手くいっていましたが、アンザッツ1番や5番の所謂”平べったい・鋭い”系の発声が苦手でした。

アンザッツ5番が苦手だった理由は、僕の普段の歌声は”ソフトな”印象が強かったので、そういった”鋭い声”はこれまであまり使ってこなかったからだと思います。苦手なアンザッツによって「今までの声の使い方、そのアンバランスさ」が分かるともいえます。

だから、僕は当初はアンザッツ5番の練習が楽しくありませんでした。(困ったことに、アンザッツ5番は7つのアンザッツの中でも最重要のものだと教わっていました)どうやっても”鋭い”声にならないのです。けれどここで我慢して練習しなければ、いつまでも苦手として残ってしまいます。アンザッツ5番の練習を避けていたのでは、ただでさえバランスの崩れている僕の声はどんどん悪くなっていってしまうかもしれません・・・ということで、我慢しながら、むしろアンザッツ5番の練習を多めにボイトレしていたところ、いつの間にか苦手意識も消えていきました。

今から考えると「アンザッツ5番が発声できなかった自分」がいたことは、とても信じられません。それは「右折できなかった自分」がいたことを不思議に思うことと似ています。

物事のレベルが上がっていくというのは、大体がそんなものなのでしょうね。毎日少しずつ何となく続けていたら、かつて出来なかったことが自然に出来てしまっている・・・そして今となっては「あんなことで悩んでいたんやあ!」と、かつての”悩みのレベル”の低さに驚いてしまう。何事もそんな風にして上達していくのでしょうね。

 

今の僕の悩み、声に関する悩みは・・・色々ありますが、例えば「中低音の充実した音質が高音では保てない」ことでしょうか。中低音の音質が豊かであればあるほど、高音の音質との差を感じてしまいます。まあ、つまりは高音の音質が”薄い”ということなのでしょう。

何年か後に思い返してみたとき、「ああ、あの頃は高音の音質が薄いことに悩んでいたなあ。なんてレベルが低い悩みだったのだろう」と思う日が来るでしょうか?・・・いや、きっと来ます!そう信じて頑張りましょう!

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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