「声」は才能ではありません。正しくボイトレすれば声は必ず変わります

「あの人はもともと良い声をしているから」「彼は強い喉を持って生まれてきた」などとはよく言います。

つまり「声は天性のもの」であり「生まれついての能力の差」が声質や声域を決めてしまう、というのが世の中の一般常識です。

でも実際は、これまでの記事でも書いてきたように、喉の機能には個人単位での大差は無い事が分かっています。

子供時代の育ってきた環境が、大人になってからの声質を作るといってもいいと思います。

たくさん歌ったり叫んだりしてきた人、大人しくてあまり大声を出さずに育ってきた人、当然のように、それぞれ全く違った声の持ち主となります。

 


17世紀のイタリア、ボイストレーニングが質的に隆盛を極めていた頃、正しく声を育てるには6年~10年の期間がかかると言われていました。

そして、そこからまた更に声楽の音楽的な練習をせねばならなかった事でしょう。

僕も言われました!「決して、すぐに声がちゃんと出るようになるとは思わぬように!」と。

そして、6年~10年と聞いて、その遠大な練習時間を想像して愕然としたものです。

※6年~10年とは「オペラを歌えるようになる声を完全に仕上げるまで」という意味です!

あまり悲観しないで下さいよ!1~2年でちゃんと歌えるようにはなります。

 

でも、物事はプラスに前向きに考えるべきです。

昔のイタリアのボイストレーナーは「6年~10年かかりますが、きちんとトレーニングすれば声は必ず作れる」という考えを持っていました。

本当の勉強はそれからだと、つまり「時間をかけて正しく練習しさえすれば、良い声は“必ず”手に入る」と。

また、別の言い方をすれば「時間と努力さえ持てば誰でも達成できる“声を育てること”くらい、とっととやってしまおうぜ!」という事でしょうか。

彼らは信じていたんでしょう、喉という楽器を完全な物にするためのシステムを知っていて、その通りに訓練し、生徒が一生懸命努力しさえすれば、一人の例外もなく良い声は手に入ると!

 

「上手くいくかどうかは分からないけれど取り敢えず訓練しましょう」

「ダメなら才能が無かったという事で・・・」

では無かったのです。

 

つまり、ボイストレーニングによって良い声を手に入れる事は、決して難しいことではないのだという事です。

昨今、ボイトレのメソッドは、時代の流れの中でその方法や考え方が歪んで間違った方向に行ってしまったと言われています。

その方向が少しずつズレた事が、たくさんの「ボイトレで上手くいかなかった人」を作り、世の中に「声は天性のもの」という先入観を作ったのでしょう。

 

「歌は才能」かもしれませんが、「声は才能」ではありません。

 

声を育てる間違いのないシステムが存在し、それを知るチャンスがあります。

「もし声が育たなかったら?」

僕たちトレーナーは「才能のせい」には決して出来ないと思います。

 

正しく確実な方法で声を育てる事は間違いなく可能です。

そして、少し時間をかけてでも、美しい音を出す楽器を手に入れて、そこからは内に秘めていた歌心を声に乗せて、たっぷりと奏でていただきたいと思います。

 

以上、ご精読ありがとうございました。

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