ボイトレ的理想郷。腹から声は出さず、挨拶の声もアンザッツから改善する

「眠ること」と「食べること」、人間にとってどちらが大切なのかと考えると、僕は「眠ること」なんじゃないかと思います。「睡魔に負けた!」なんていう言い方をしますが、”眠気”は正に魔物ですね!それもとびきり心地よい・・・

けれど、ライブが終わって遅く帰ってきた時に限って(すぐに寝ればいいのに)テレビに見入ってしまったり、本を読み始めたり・・・中々寝付けないことも多いです。(大きな音を何時間も聴き続けていたので脳が興奮しているのでしょうか?)

さて、僕は布団に入ったら20~30分スマホをいじって動画なり音楽なりを見たり聴いたりすることが寝る前のささやかな楽しみなのです。

最近のYouTubeでは、昔のテレビ番組の動画がアップされていますね。いつものように布団に入ってYouTubeをめくっていると「集客に苦労している飲食店のご主人が、その道の達人に弟子入りしてレシピや接客を教えてもらって繁盛店を目指す」という内容の20年ほど前のテレビ番組を見つけ、懐かしさも手伝って何本か見てみました。

とある客足に悩むお好み焼き屋さんのご主人が、いつも行列の出来る有名な人気店へと修行に行き、怒られ怒鳴られながら段々と力を付けていく姿をカメラが追っていました。ある日、修行の一環としてお店の前での”呼び込み”を命じられたそのご主人、一生懸命頭を下げて「いらっしゃいませ!」と何度も叫んでいます。そこへ達人が登場!

「まだまだ声が小さい!声なんてなあ、腹から出すもんなんだよ!もっと腹から声出せ!」

この番組の趣旨として、そして”修行”というものは精神鍛錬の目的も大きいので、「腹から声出せ!」がそのまま的外れな指導とは思いません。むしろ「修行の様式美」としてはそれが正しい叱咤であると思います。

けれど、この日本には伝統的な武士道精神に基づいた、この達人の言うところの「声なんてなあ、腹から出すもんなんだよ!」的思想が強く残っていることも事実です。(実際のレッスンの現場でも、このことを頻繁に感じます)

では、もし日本から「腹から声出す信仰」が完全に消えたなら・・・”喉を吊る筋肉”の大切な役割を皆が理解しているなら・・・とても面白い光景が想像出来そうです。それはまさに「ボイトレ的理想郷」ではありませんか!

 

百貨店・・・開店前の光景

百貨店や大型スーパーなどの開店前の店内では、従業員さんが一挙に並び「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」「またどうぞお越しくださいませ」と発声練習をする習慣があるようです。チーフのような人が皆の前に立ち、その人の「いらっしゃいませ」の声に続いて、店員の皆も「いらっしゃいませ」と頭を下げて練習しています。

普通なら声の出し方までは指導されないのかもしれませんし、指導されたとしても「もっとお腹に力を込めて」といった類のものでしょうか。

けれど実際には「いらっしゃいませ」などの挨拶の声も、アンザッツトレーニングを行なうことで”喉を吊る筋肉”の目覚めを促せば全然違った声の質になってきます。そしてもちろん喉のスタミナも付いてきて、声量も爆発的に大きくなります。

なので本当はこういう光景が望ましいのではないでしょうか・・・

  • チーフ「はい、ではアンザッツ5番で”いらっしゃいませ”」
  • 店員の皆さん「いらっしゃいませ!」←鋭い裏声で
  • チーフ「はい、続いてアンザッツ3a番で”ありがとうございました”」
  • 店員の皆さん「ありがとうございました!」←太い地声で

なかなかユニークな光景ですが、”お腹に力を込めて”発声練習するよりもはるかに効果が高く実践的でしょう。

 

お寿司屋さんの一コマ

お寿司屋さん、特に「江戸前寿司の職人さん」というと威勢の良さが魅力の一つなのではないでしょうか。

ある江戸前寿司のお店で、ご主人が弟子に教えています。

「寿司屋なんてもんはなあ、威勢が良くなくっちゃいけねえんだ!おめえの声にはな、”張り”ってもんが欠けてんだい。そんなんじゃお客は逃げちまうぜ。やっぱりもっとこうアンザッツ5番を練習しやがれってんだ。てやんでい!べらぼうめ!」

このご主人、喉の機能について良く勉強してらっしゃるようです。(笑)

実際、”威勢の良い声”のイメージは、アンザッツ5番や1番のような喉頭の位置の高いちょっとキンキンした声です。

三橋美智也さんなどの日本民謡もYouTubeで聴くことが出来ますが、その声質はやはりちょっとキンキンとしていて喉頭位置は高めです。「威勢の良いお寿司屋さんの声」「日本民謡の歌声」・・・こういう種類の声は日本人にとって”土着の声”だからこそ、聴くと安心したり元気が出たりするのかもしれません。

 

まとめ

ちょっと冗談みたいな記事内容になりましたが、いかがでしたでしょうか?

僕自身の日々のボイトレ体験から「歌声の練習は、挨拶の声を劇的に変える」と実感しています。なので挨拶の声を変えたいなら・・・お客さんに届くような張りのある声を手に入れたいなら・・・アンザッツなどの”歌声のための”ボイストレーニングをやるべきだと思います。

上に書いたような光景が日本のあちこちで見られるまでには、まだまだ時間がかかりそうです(笑)

 

以上、ご精読ありがとうございました。

筆者のプロフィール、ボイトレへの考え

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